光環化反応

複素芳香族化合物の光環化反応

光反応は、基底状態の反応では不可能な分子変換を可能にする優れた手法です。また、適切に設計すれば光照射するだけで単純な化合物から複雑な化合物を1段階かつ立体選択的に得ることもできます。わたしたちは、合成目的の光反応であまり注目されて来なかった複素芳香族化合物の光環化反応に興味をもち、研究を行っています。
図8-1に検討例を示します。分子内に活性化されていないアルケンをもつ5員環複素環化合物を紫外照射により反応させますと、複雑な縮環構造をもつ化合物が高収率かつ単一のジアステレオマーとして得られます[H1,H2]。さらに、複素環の種類により生成物の環状様式が変わる興味深い現象も確認されています。複雑な構造をもつ生理活性物質等の短段階合成に非常に有望な方法論と言えます。ここに示した化合物はほんの一例です。生理活性試験等で新しい機能を探すパートナーも募集しています。

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